左からウルフの代表的なポートレート。『めぐりあう時間たち』原作翻訳。映画スティルは左からクラリッサ・ヴォーン（メリル・ストリープ）、ローラ・ブラウン（ジュリアン・ムーア）、ヴァージニア・ウルフ（二コール・キッドマン）。
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1．短編小説を探す〜アメリカの小説を読む
2．ダロウェイ夫人と時間とセクシュアリティ
3．ベスト・ミステリー25年
4．2000年のこの10冊
1．短編小説を探す〜アメリカの小説を読む
話が短編だけに止まらなくなったので、少し衣変えです。
��短編小説のココロその2か３ 03/04(土） 戦後のアメリカ小説、特に短編を読んでいて1月と2月が終わった。 若島正さんが『乱視読者の英米短編講義』で、神学とセックスというテーマから、アプダイクをアメリカのジョイスと呼んでいた。チーヴァーはアプダイクほど性をダイレクトに扱わないが、やはり神と性の問題は強く浮き上がってくる。 前にアメリカ短編のココロは家族だと口走ったが、言い換えると家族の問題の根底には性があり、そこでの葛藤には人間とは、世界とは問いが出てきて、それはそのまま救済とか贖罪のテーマにつながる。 ニューヨーカーとか郊外派とか、サバービアンと言われても、それは郊外に住む中流階級の白人を扱っているからで、そこでのテーマは誕生−性−死という人間の生そのものだと思う。性愛から家族が生じ、そこで男女の、世代間のコミュニケーションとディスコミュニケーションが発生し、葛藤と救いと赦しと憎しみが・・・ チーヴァーの「回復」という作品を訳そうと思っているのだが、40枚くらいの短編に、日常の秩序が壊れ、それに困惑しながら慣れていく。そして別のファクターが入り込み、最後に大団円。 短編は日常の非日常的な瞬間を描くと言われるが、それは日常の秩序を壊すものである場合もあるし、小さな啓示と呼んでもいいような至福の瞬間の場合もある。 チーヴァーの作品では、短編の中にいくつもモメントが埋め込まれていて、ぎゅっと圧縮された作品を読んでいるような充実感がある。 チーヴァーの次に、読んだのはマラマッド。『魔法の樽』がどの短編もいい。特に「夏の読書」がお勧め。ニューヨークのユダヤ人の物語が多いが、貧しくて、孤独で、でも微かな救済の可能性を残す、短編群は文学っていいなと思わせる。 中篇『アシスタント』もいい。映画化されつつある『テナント』も読みたいです。映画も観たい。ユダヤ人と黒人の葛藤と言うのは僕がずっと考えているテーマでもあります。しかも黒人を演ずるのがスヌープ・ドッグとは！？ そしてアーウイン・ショー。昨日読み終えた長編『ルーシー・クラウンという女』はアーヴィングの『未亡人の1年』と同じ不倫を扱っているが、まったく違う読後感を持った。「夏服と着た女」に代表される、都会的で洒落た作風とは異なる、一見都会的だが、実は骨太な作家だと見直した。 |
02/10(金)
��家族を描き続けるアメリカ
唐突だけれど「アメリカの短編のココロ」って「家族」だと思う。
でも内田樹の影響からもしれないけれど、執拗とも言える程「家族」に拘るのは、そこに「家族」がないからかも？
「家族」が自明のものとして、その社会・文化に存在するのならそんなに「言挙げ」しなくともいいと思うほど、家族が描かれる。つまり「不在の家族」を捜し求める、または構築し続けるアメリカ人というイメージ。
離婚が多いのも、養子などの擬似家族的なあり方も同じ理屈かな。
このような家族の鬱陶しさから少し遠ざかれる、しかし家族のつながりが描かれるスタイルの短編としては、リチャード・ボーシュの「世界の肌ざわり」（8人の作家の作品を集めた同名の翻訳短編集）でのお祖父ちゃんと孫娘の交流が心地よいです。親子・兄弟ほどべたつかない、濃すぎないからかな。
しかもエンディングが、O・ヘンリー流にべたな落ちがないのもいいです。これはぜひ訳したいのですが既訳のものは避けたいので、彼の別な作品に同様な趣向のものがあればと探しています。
02/02(木)
��初級翻訳者の悩み
ホートン・ミルフィン社から毎年出ている短編のアンソロジーとアプダイクやトバイアス・ウルフ、リチャード・フォードが編んだ短編集を渉猟する楽しく悩ましい日々を送っています。
もちろん一般入試を控えながら、新学期の授業の準備、建事務所との打ち合わせも。
いい作品はすでに翻訳されているのが多いのですね。
イーサン・ケイニンの『エンペラー・オブ・ジ・エア』の表題作「夜空の皇帝」が印象に残っています。でも何故短編集の題名と表題作の短編の題名が原作では同じなのに変えたのでしょうね。
印象に残ったのは、子供のいない主人公の喪失感でした。正確に言えば、喪失感ではなく、子供を持たなかった事への後悔。
この短編を読んだ後、ソール・ベローの有名な「未来の父」やロバート・レイシーの「実の父親」など父親になる若い男の話が目に飛び込んできましたね。
多分、僕自身が子供を持たず、その事に対してそこはかとない？後悔の念を抱いている事から来るのだと推測していますが…
関連して、父親と息子の物語、中年の息子と老齢の母親の物語にも惹かれています。お分かりと思いますが、前者では自分が父親、後者では息子です。
前者の例は、アーサー・ロビンソンの「列車に乗る少年」、ライアン・ハーティの「太陽が沈むときにどうして空は赤くなる」。後者の例はチャールズ・バクスターの「フェンスタッドの母親」。
チャールズ・バクスターを除いてはまだ翻訳がないと思います。
01/25(水) ��短編のココロ N君： > 「80年代の短編ルネサンス」、ぼくも読んでみなくては。 > いわゆる「あらかじめ失われた世代」の作家の作品のこと > でしょうか。 本城： ま、そうですね。ただ厳密に言えば、トバイアス・ウルフが編んだ『ヴィンテージ版現代アメリカ短編アンソロジー』の序文で書いた「80年代の短編ルネサンス」は複数の世代が80年代に発表した作品の数と質について称揚した表現だと思います。レイモンド・カーヴァーのように38年生まれ、や少し若い40年代生まれ（ウッドストック世代）のリチャード・フォード、ステュワート・ダイベック、ティム・オブライエンなどですね。 「あらかじめ失われた世代」は『スイッチ』の特集によるキャッチ・コピーのような気がします。今その『スイッチ』が目の前にありますが、カーヴァーやアン・ビーティの他、ジェイ・マキナニー、イーストン・エリスなど、80年代に登場した作家たちを扱っています。New Lost Generationを「あらかじめ失われた世代」と訳したのは、日本映画『あらかじめ失われた恋人たちのレトリックを使ったのでしょう。これは劇作家の清水邦夫とあの田原総一郎の共同監督で、写真家の加納典明と桃井かおりが競演した珍品？でした。 New Lost Generationそのものがアメリカで使われているかは分かりませんが（同名の本が1982年アメリカで出版されています）、その意味するところは推測できますよね。Lost Generationが第1次大戦後のへミングウエー、フィッツジェラルドたちの世代が先輩作家のガートルード・スタインから言われた言葉で、それまでの価値観・伝統・倫理を信じることができない、「途方にくれた」、「目標を失った」若い人たちのことだったのはもちろん知っているよね。 その辺りの事はメールでもふれたように先々週の研究談話会で取り上げられたへミングウエーの『移動祝祭日』に詳しく書かれています。 New Lost Generationの方は、ポスト・ヴェトナムのアメリカ作家たち。60年代＝ポストモダンの作家たちのように大きな物語（現代社会を実験的な手法で描く）が信じられず、小さな主題を短編で描くミニマりストをさすわけだと思います。なんか日本で言われていた「内向の世代」（古井由吉のような）雰囲気ですね。混乱の60年代の後の静かな70年代。 もともとアメリカは、雑誌と大学創作科が他の国よりも盛んなせいか短編は数多く書かれて、いいものも多いと思います。今自分で面白い短編を探す作業の中で、自分にとっての小説とは何か、短編のココロとはなんだろうかを再発見（新発見）する楽しい時間を過ごしています。 |
��センター試験と短編小説 ：01/24(火)
今月中に2学期の試験とレポートの採点が終わったら、翻訳する短編探し再開です。と言いながらここ数週間、適当なアンソロジーを注文したり、流し読みをしていました。
アメリカ小説の短編、それも戦後の流れを勉強し直す事ができて、面白いと言うか勉強になります。80年代の短編ルネサンス（ミニマリズムとは少し違うか）を再評価も含めて考えてみたいと思っています。
イーサン・ケイニンの「エンペラー・オブ・ジ・エアー」がいい。特にオリジナルが。柴田さんの翻訳が悪いと言うのではもちろんなくて、翻訳よりも自分の原作を読むスピードが内容のゆったりとした趣とあっているような気がしましたね。
それと、気に入った短編から自分の好みが再確認でき、さらに短編のココロとは、小説とは、という手近なところから文学の本質に迫ることができるかとも思っています。
ダロウェイ夫人と時間とセクシュアリティ
＠北海学園大学付属図書館「図書館だより」
左からウルフの代表的なポートレート。『めぐりあう時間たち』原作翻訳。映画スティルは左からクラリッサ・ヴォーン（メリル・ストリープ）、ローラ・ブラウン（ジュリアン・ムーア）、ヴァージニア・ウルフ（二コール・キッドマン）。
1923年ヴァージニア・ウルフはクラリッサ・ダロウェイを主人公とするThe Hoursという作品を執筆していた。2年後の1925年『ダロウェイ夫人』という題で発表されたこの小説は、ジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』(1922)と並ぶ英語圏におけるモダニズム文学の代表的作品として評価されるようになる。そして74年後の1999年に発表されたマイケル・カニンガムの『めぐりあう時間たち』は3つの時代のダロウェイ夫人を巡って物語が進行していく。1923年ロンドン郊外のリッチモンド、『ダロウェイ夫人』を執筆中の作家ヴァージニア・ウルフ。1949年ロサンゼルス、『ダロウェイ夫人』を読む主婦のローラ・ブラウン。そして現代のニューヨーク、「ダロウェイ夫人」と呼ばれる編集者クラリッサ・ヴォーン。
このように先行作品に依拠する、メタ・フィクショナルな構成のポストモダン小説が1980年代からら90年代にかけて少なからず発表された。それは元の作品を換骨奪胎し全く新たな作品に仕上がる場合もあるし、先行作品にただ寄りかかっただけの作品もあった。しかしこのアメリカの男性作家カニンガムによる『めぐりあう時間たち』は1999年度のピューリッツアー賞とペン/フォークナー賞を受賞した作品であり、2002年映画化がなされたことからも、その評価は高いと言える。
下敷きとなる『ダロウェイ夫人』において、時間と人間の意識を現代文学の重要なテーマと考えたウルフは物語を12時間という枠組みに限定し、その中で登場人物の意識が現在と過去を往復しながら一瞬一瞬の内に変化していく様子をとらえようとした。『めぐりあう時間たち』においても時間が重要なテーマであることはThe Hoursという原題からも明らかであるし、3人の女性の様々に生きる時間＝人生が描かれる。
狂気の兆しに怯えながら『ダロウェイ夫人』を書くウルフは、最初ダロウェイ夫人が自殺をするという結末を構想する。しかしダロウェイ夫人の分身ともいえる人物に自殺をさせることによってこの女主人公を生き延びさせるが、作家自身は1941年入水自殺を遂げることになる。ローラ・ブラウンは家族を愛しながらも、充たされない思いから自殺を願望するが果たせず、家族を捨てることで暖昧な日常にけりをつける。彼女にとって『ダロウェイ夫人』を読むことはもう一つの世界を生きることを意味し、そのことによって彼女自身の生を持続させる。ということは文学が作家と読者の人生において果たす意義がもう一つの鍵になるだろうか。同性の恋人サリーと暮らすクラリッサ・ヴォーンは、昔の恋人リチャードの病気とその死に際し、生きることの意味を見つめなおす。
そして三つ目のキーはセクシュアリティ。元祖フェミニストとも呼ぶことのできるウルフにとっても性は重要なテーマであった。小説上ではクラリッサ・ダロウェイと女友達とのホモセクシュアノレな関係が示唆され、ウルフの実人生においてもその伝記的事実からホモセクシュアルな傾向は明白である。『めぐりあう時間たち』ではローラ・ブラウンはさりげなく、クラリッサ・ヴォーンははっきりと同様の志向を繰り返す。女性たちのセクシュアリティの問題に加えて、現代に生きる男性の性のテーマは詩人リチャードが罹っているエイズに凝縮される。カニンガムは1990年の『この世の果ての家』においてもホモセクシュアルとエイズを重要なテーマに据えていた。現代では性のテーマがヘテロ・セクシュアル（異性愛）からホモセクシュアルへ、さらにはエイズの問題も抱え込んで限りなく錯綜していく。
最後に未読の読者のために明言できないが、登場人物の隠されていた関係が結末において明らかにされ、3つの時代設定の意義がさらに明確になっていくことを付け加えておこう。
ここもまだ作成中ですが、研究面でもこの10年間くらいは、ミステリを文学研究の対象にするというカルチユラル・スタディー的なことをやっています。メタ・ミステリとしてポール・オースター、アメリカの50年代とからめてロス・マクドナルド、そしてジェームズ・エルロイの『LA4部作』も論文に書きました。レジュメはこのホームページの研究室にあります。テクストはご希望ならば『北海道アメリカ文学』（日本アメリカ文学会北海学道支部機関誌）をさしあげます。
また週刊『文春』2001年1月4日・11日新年特大号に掲載の「20世紀ミステリーベスト10」に触発されて、私家版の「翻訳ミステリこの25年」を作りましたので、ここに掲載します。
これは年代順で、順位は作品の優劣に関係ありません。このようなものは作った後、その意味に気付くことが多いのですが、例えば、1番から5番まではイギリス勢で占められている。１，３，４は冷戦を背景にしたスパイ物。
1のフリーマントルのチャーリー・マフィンものは好きで全作何回も読んでいます。というよりもここにあげた作品で再読していないものはない、かつ再読に耐えないものはないと保証します。階級社会かつ学歴社会のイギリスの諜報部員として窓際族で、上司や組織から持て余されながら、辣腕のスパイとして活躍するチャーリー。一見ぱっとしない風采ながら女性にも魅力を発揮するという、負マイナスとプラスの特徴をあわせもつキャラクターで間然とするところがない。
2番のレンデルは、パトリシア・ハイスミスを髣髴とさせる、心理ミステリーの女流作家。一時期凝って読んでいた。人間の悪意、それも状況の中でじわじわとわいてくるような殺意のとらえかた、表現がうまい。
3番のグリーンは先年亡くなった著名なイギリスのカトリック作家（カトリックの宗教的な主題の作品を書く）であるが、映画『第三の男』、『落ちた偶像』の原作で有名。
4番のフランシスも随分と読んで、毎年年末に出る翻訳の単行本を４，５年前まで楽しみにしていた。やはり困難な状況のなかで成長していく主人公の造形がうまい。とくにシッド・ハーレーの第２作である『利き腕』がいい。
5番のル・カレもスマイリーものに敬意を表して。スマイリーもチャーリーと同じ、階級社会の落ちこぼれでありながら、その分析能力で際立つ。組織の中での活躍という点でチャーリーとはちがうか。その文体はイギリス人のインテリでも読みづらいといっていた。好きというよりも評価しなければ、という気持ち。
6番のスペンサーはこの『初秋』にとどめをさすだろうか。それ以外にもそこそこの作品はあるのだが、スペンサーとスーザンの関係にうんざりすることも多い。
7番はベトナム戦争後を背景にした傑作といえる。これは天藤新の『大誘拐』に似た読後感のさわやかな快作。文春の１位。ジェサップはこれ１作だろうか。
8番のエルロイは『LA４部作』の前の作品は読んでいたのだけれど、あまり印象になかった。『ブラック・ダリア』もあまり。その後の『LAコンフィデンシャル』、『ビッグ・ノーウエア』、『ホワイト・ジャズ』の圧倒的な迫力に引きずり込まれた。さらに『アメリカン・タブロイド』も読んでしまった。作品の構成と文体のスピードがぎりぎりのところでバランスがとれている『ビッグ・ノーウエア』を選んだ。『ホワイト・ジャズ』の破綻もすごい。巻末の年表が『LA４部作』を読むときも、論文を書くときも役に立った。文春の永嶋さんありがとう。
9番は原作の発表順と翻訳の順番が違うので混乱するが、最近の『悪徳の街』までかなり面白い。これもベトナム戦争を含め20世紀後半のアメリカ史をからめて書いている。10番のワシントンを舞台にしたギリシャ系の人々のサーガと同様、代々の家族を主人公として、アメリカの歴史と社会の変遷の記録でもある。この『ダーティ・ホワイト・ボーイズ』は暴力のありかたが野放図で、連作の他の作品と較べると少々印象がちがう。『ストレート・タイム』のエドワード・バンカーを連想させる。
10番がこの１，２年６冊ほど読んだが、ワシントンという街でのギリシャ系アメリカ人というこれまで描かれなかったマイノリティのやはりサーガが面白い。
８，９，１０はアメリカ史を小説で読んでいるような気にさせられるし、小説を読みながらアメリカ史を勉強しているような錯覚に陥らせてくれる。また、通奏低音として「父と息子」のテーマも聞こえてくる。アメリカ史を小説で読みたい人は、『ラグタイム』で有名なE・L・ドクトロウの諸作品をどうぞ。『紐育万国博覧会』、『ビリー・バスゲート』、『ニューヨーク貯水場』どれも面白いです。
私家版では８０年代がほとんどいないが、文春ベストテン常連のフォーサイスは面白いが評価しない。キングはミステリーではないし、ローレンス・ブロックのマット・スカダーも翻訳単行本は出たら買うのだが、ベスト・ミステリには…。
９０年代ブームになったリーガル・サスペンスは、スコット・タロゥ、ジョン・グリシャム、フィリップ・マーゴリン、スティーブン・マルティニ、いずれも小説として感心しない。理由はストーリーが主体で、人物がかけていないので、読んだ後、いい小説をよんだという満足感がありません。例えば列車や飛行機での時間つぶしには最適でも。人間が書けていないなどというのは、青臭いいい様に聞こえるかもしれないが、実際読んでその後はおしまいというのは寂しい。女性探偵を主人公にしたサラ・パレツキー、キンジー・ミルホーンも同じ。『検死官』のパトリシア・コーンウォールは少し読み応えがあるか。
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